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看護師が看護してくれない中国の病院事情

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看護師が看護してくれない中国の病院事情

 

海外に出かけると、様々な事柄が日本とは違う事に気がつくと思います。お仕事や観光で海外の国を訪れると、目に見える風景や人々の暮らし方から、日本との差異が目の前に飛び込んで来ます。しかし、その国の基本的な生活事情という事柄は、駐在して生活しない限り見えては来ないものです。中国に家族で駐在していた筆者が最も差異を感じた中国について、病院という施設を例にしてご紹介致します。

中国の病院に入院した経緯

 実は中国に駐在していて、筆者の家族の中で二人が現地で病院に入院した経験を持っています。一人は家内で、もう一人が私自身です。私たち二人の入院経験は、各々が全く違う種類の病院で入院した事から、違いが明確なので、知って頂いておくとご参考になると思います。

 地方の大都市に駐在していた時の事です。家内はある日、駐在中の自宅で意識不明になって倒れてたのですが、クモ膜下出血と診断されました。最初に行った病院は中国の市民病院でした。その病院には日本人医師がおられて、日本人相手に診察をしてくれていたのです。クモ膜下出血という病名を聞いて、私は愕然としてしまいました。瞬間的に家内は死んでしまうと思いました。結果を先に申し上げますと、現在も元気で私と日本で生活しております。ですから、命は取り留めましたが、その処置をして頂いた中国の病院での出来事は、壮絶でした。

 日本人医師からは、次に出血したら命にかかわるので安静が第一で、「飛行機に乗って帰国して日本で入院することはできない」と言われました。そして、市民病院での手術よりも高い技術を有する大学病院があるので、そちらで手術をするしか方法が無いと言われ、救急車で家内を大学病院に移送しました。

中国の病院では前払いが基本

 救急車が病院に着くと、運転手から請求書が手渡されて、搬送代を支払えと言われ驚きました。人が死にそうな状況なのに、救急車はお金を支払わなければ降りれないのです。小銭で済んだので支払って、病院のストレッチャーに家内を載せてもらい、院内に入ると、そこで直ぐさま病院関係者に止められます。デポジットを支払うようにというのが彼の指示でした。日本円で数万円に当たりましたが、彼の言う金額を持っていなかったので、財布の中にある人民元全てを出してデポジットとして支払うと、そこで初めて病院の中に入る事ができました。

中国の病院では家族が看護をする

 エレベーターに乗り最上階の集中治療室に入り、処置が始まりました。ほっとして婦長さんにお礼を言って集中治療室を出ようとすると、婦長さんが私の腕を捕まえて離さないのです。「どこに行くの?」と尋ねられました。「子供たちが待っているので自宅に帰ります。」と告げると、「貴方は帰れませんよ!」と強く言うのです。言われている意味が全く理解できませんでした。すると、婦長さんが「貴方は廊下を見ていないの?ドアを開けて廊下を見て」というのです。その通りにして廊下を覗くと、廊下の両側に新聞紙を敷いた人たちが寝ているのです。家内が死にそうな状況でしたから、集中治療室に着く迄、私には何も目に入っていませんでした。患者さんが廊下に寝ているのか?この人たちは誰なのか?皆目分からずに婦長さんに尋ねると、「患者さんのご家族です。みんなこうして廊下に寝泊まりして、入院している家族の看護をしているのよ。」というのです。晴天の霹靂でした。何故?廊下に新聞紙で寝ているのか?婦長さんは説明してくれました。

 中国では家族の誰かが入院すると、家族の誰かが病院に寝泊まりしながら看護する事を。しかし、入院待ちの患者さんが多数いる状況で、病院の入院病室は患者で溢れていて、家族が泊まるスペースもベッドも無いので、仕方なく家族が廊下で寝ているのだそうです。何と言う事か!これが中国の医療実態なのかと知り愕然としました。すると私もここで寝泊まりして家内の看護をしなければならないのか?婦長さんは「貴方は外国人だから、ここに寝泊まりさせる訳にはいかないけれど、部屋もベッドも無いから、昼間医師たちがカルテを書く為の小さな部屋があるので、そこで寝泊まりして。」と言うのです。二畳も無い、木製のベンチと机があるだけの寒い小さな空間。それでも廊下に寝るよりはましでしたが、結局私はこの空間で約一カ月を過ごす事になりました。家内は集中治療室にいたので、看護に入る事も無かったのですが、いざ出血が始まると輸血の為のサインを夫である私がしなければならず、24時間病院から離れてはいけないと言われたからです。手術の結果や子供達をどうしたのかは紙面の関係で割愛します。これが10年程前のある大都市の大学病院での出来事です。中国では看護婦さんは医師の補助的な仕事しかしてくれません。患者が多すぎてできないと言った方がいいのかもしれません。改めて、日本の病院の看護婦さんたちの手厚い看護は、素晴らしい事だと認識しました。

中国の病院に入院した私のケース

 そして私ですが、違う都市で違う病院で一週間入院しました。病名は椎間板ヘルニア。溜まっていた腰の違和感が、突然起き上がれない位に激痛になり、手術するしか方法が無いと言われて即入院し手術しました。こちらも結果を先に申し上げると、マジックの様な短時間の物理的な手術の結果、手術は成功し、今は腰には何の問題もなく生活しています。

 私が入院したのは、家内が入院したのとは違い、大都市上海の外国人専用病院でした。家内が手術をした時に住んでいた都市には外国人専用病院が無く、日本語の通じない現地の大学病院でしたが、上海には外国人専用の病院がいくつもあります。時代が数年違うのと、流石にグローバル都市上海という違いがありました。この病院は、日本の病院の方式と全く同じで、看護婦さんが看護をしっかりしてくれました。ベルを押せばすぐに来てくれましたし、食事もちゃんと運んでくれました。日本語ができる看護婦さんも多くいて、日本の病院に入院しているのと何ら変わりはありませんでした。私の家内と私の入院の二例は、全く違う環境だったという事です。

 ここで申し上げておきたいのは、中国の病院では、基本的に看護婦さんは何もしてくれませんし、お金を先に支払わない限り入院もさせてくれません。ですが、大都市には外国人専用病院があるので、日本語も問題ありませんし、看護もしてくれて、支払いは退院時でよく、クレジットカード支払いもできます。この様に、中国での基本的な医療環境は日本に比べると劣悪ですが、大都市に限っていえば、日本と同様の病院も存在しています。但し、病状によっては、どうしても現地の大学病院でなければ手術ができない事もありますから、外国人専用病院があるからと言って、どんな病気にも対応できる訳ではない事は御認識下さい。

 中国には個人病院がありません。全ては総合病院で基本的には国家もしくは共産党が運営しています。海外ですから全ての病院で、日本の健康保険は使えません。医療費は高額になりますから、海外旅行傷害保険や、駐在員の医療保険に加入されて行かれる事をお勧めしておきます。医療分野も含めて中国は年々進歩を遂げていると思いますが、
医療環境は日本とは比べ物にならない位に悪いと認識頂いた方が宜しいと思います。
ご参考になりましたら幸いです。

[参考記事]
「20年後の日本人の若い女性の多くは中国人と結婚している現実」

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